2023/07/16 14:21

今回のブログは、当店のレコード・クリーニングと検盤です。


当店からレコードを購入された方の中には、レコードの盤面が新品のような輝きを取り戻していることに驚かれた方もいらっしゃると思います。
といっても、何も特別なクリーニングを行っているわけではありません。

今後、当店からの購入を検討されている方も、参考にしていただければと思います。
また、一部で機材を必要とする方法ですが、可能であればぜひ皆さんもトライしてみてください。

では、実際の作業を例に、説明していきたいと思います。

1.準備

滑り止め付き軍手を左手に装着します。
(これがかなり役立ちます)← どーでもいいので、お好みで。


2.レコード盤の拭き取り

1)ウエットティッシュによる拭き取り

今時代、水でジャブジャブ、ブラシでゴシゴシ、なんてことはやりません。
レコードの溝に沿って、強めに拭きます。

2)乾いた布による拭き取り

洗浄液が残らないよう、きれいに拭き取ります。
ここでは、不要になった綿100%の柔らかいTシャツを利用しています。

実際にはレコードが動かないように軍手を装着した左手でラベルを抑え、一方の右手でゴシゴシ拭き上げています。

驚くことに、かなりの光沢がでます。


表面はきれいになりましたが、溝の中にまだゴミが詰まっている状態ですので取り除かなければなりません。

3.溝の中のゴミ除去および試聴

1)ポータブルプレーヤーを使用したクリーニング&試聴
ポータブルプレーヤーは、針圧4~5gなので溝の中のゴミの掻き出しに適しています(笑)
また、曲頭から最後までプレイすることになるので、試聴も兼ねることが可能です。
(ポータブルプレーヤーの音質はどれもそれなりですが、個人的にはVestax handy traxをお薦めします)



溝の中にゴミが詰まっていた場合、片面のプレイを終えると写真のように盤面がカオスになります。

ウエットティッシュで拭かなければ、同じことをやってもこのような状態にはなりません。
実に不思議、ウエットティッシュ効果です。

2)掻き出したゴミの除去
表面に散らばるゴミをブロワー(当店ではエアダスターを使用)で思い切り吹き飛ばします。

間違っても、ベルベットクリーナーみたいなもので、盤面を拭きあげないようにしましょう。
再びゴミが溝に入っていく可能性があります。

表面がきれいになり、溝の中のゴミが除去されれば、盤面は新品のレコードのような輝きを取り戻します。



3.最終的な試聴

MICRO BL-91+WE-308SX+SHURE TYPEIII(針圧2g以下)のセットで再生して、最終的にチェックしています。



クリーニングについては以上です。

まず、大きめの針圧で溝をトレースすることにより、大分部のゴミを掻き出して除去することが出来ています。
これは顕微鏡で確認しなくても、新品のような盤面の光沢を見て頂ければ一目瞭然だと思います。

したがって、通常使用される針圧2~3gのプレイにおいては、支障になるゴミ物件は既に溝の中に存在しないのでノイズはほぼ皆無といってよいでしょう。
さらに、試聴時にノイズが発生した場合は顕微鏡を使用して場所を特定するとともに、原因を追究することを行っています。
また、針圧の異なる2台を使用して2度試聴しているため、再生環境の違いによるエラーも確認できています。

これが、当店のレコード・クリーニングおよび検盤の方法です。
ご意見、ご要望がありましたらお気軽にお問い合わせください。

言い忘れましたが、プレーヤー使用後は針の手入れをきちんと行いましょう。


お時間いただきありがとうございました。
TK@FeelWaxRecords