2025/10/05 11:48
本当にご無沙汰の更新になります。
さて、近年のレコードを取り巻く環境は悪化の一途をたどり、明るいニュースはほとんど聞こえてこないのが実情です。
特に海外では、中古・新品を問わずレコード価格の高騰に怒りをあらわにする人々や、再発盤の品質低下を嘆く声が多く聞かれます。
国内でも、こうした不満が大きくなるのは時間の問題かもしれません。
以前からお伝えしている通り、「オリジナル盤を超える再発盤は存在しない」と私は考えています。
オリジナル盤には、その時代の空気感が封じ込められていますし、数十年という激動の時代を生き抜いてきた“本物”としての価値があります。
歴史的資料としての側面も加わり、今後もオリジナル盤の価値が高止まりする傾向は続くでしょう。
もしかすると、「いまが安値」と言えるのかもしれません。
一方で、最近の再発盤も価格上昇には目を見張るものがあります。
理由はいくつも考えられますが、もはや気軽に購入できる価格帯ではなくなりつつあります。
それでも、オリジナル盤に手が届かないとなれば、再発盤を選ぶしかないというのが現実です。
私見では、再発盤の音質低下の主な原因はマスタリングにあると感じています。
とはいえ、すべてが悪いわけではなく、オリジナルには及ばないまでも高品質な再発盤も確かに存在します。
だからこそ、しっかり見極めて取捨選択していただきたいところです。
そして当店では、レコードを聴く際には 良質なオーディオ機器の使用と適切な調整 を強くおすすめしています。
人間の耳は「音量が大きいほど良い音」と錯覚しやすいものです。
その影響か、最近の再発盤は低音を強調し、音量も全体的に大きめ・音圧高めに仕上げられている印象を受けます。
その結果、機器によっては音が濁り、かえって音質が悪く感じられる場合もあります。
また、逆に音量が妙に小さく収録されている再発盤も見受けられます。
こうした問題の一部は、クセの少ないクリアなスピーカーやアンプを選び、ノイズが発生しないよう適切に調整・管理を行うことで改善できる可能性があります。
これこそが、良質な機器と丁寧なメンテナンスが重要な理由です。
(もっとも、オーディオの“沼”にはくれぐれもお気をつけください…)
皆さんは、最近のレコード事情についてどのようにお考えでしょうか。
楽しいレコード・ライフを、どうぞお過ごしください。